住まいの中でガマンをしていませんか?

高断熱は健康長寿の秘訣。

心疾患や脳血管疾患は冬場に増加しています。『HHSRS』(英国保健省)の寒さに関する評価によると、人が健康でいられる温度は21℃前後、16℃以下になると深刻な健康リスクが高まるとされています。寒さは健康の大敵なのです。また、部屋ごとの温度差も血圧変動に大きな影響を与えます。断熱性能の高い家は、暖かいだけでなく、各部屋での温度差が少ないことが特徴です。暖かい住まいで活動的に過ごし、健康な毎日をおくりましょう。

室温管理は世界の常識。部屋の温度と血圧変動には密接な関係があります。

英国の冬季室内温度指針

英国では、寒さによる健康リスクがまとめられており(英国保険省年次報告書2010.3)、住宅の最低室温に関する基準があります。基準を満たさない賃貸住宅(=寒い家・健康性の劣る家)の大家さんに対しては、改修・閉鎖・解体命令などが下されます(英国住宅法2006年改正)

※2015年10月の改定で21℃の記載がなくなり、全室18℃が最低推奨温度に改定された

英国保険省イングランド公衆衛生庁「イングランド防寒計画(Cold Weather Plan for England)2015.10」

部屋の温度と血圧の関係

部屋の寒さと血圧の関係に関する事例です。ある70代女性の住宅を断熱改修したところ、起床時の平均室温が8℃から20℃に上昇しました。その結果、起床時の血圧が有意に下がり、「高血圧」と診断されていた女性の血圧が「正常値」に改善されました。

出典:こうち健康・省エネ住宅推進協議会と伊香賀研究室による共同調査
参考)日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」

建物の断熱性を高め、冬でも暖かい住空間とすることで、血圧の変動が抑制されました。

冬季、足元付近の室温が10℃低下すると血圧は9mmHg上昇し、50歳以上の方々の平均血圧でも断熱性の低い家と高い家で7.8mmHgの差があることを示す研究成果も発表されています。

室温低下、とりわけ足元の室温低下が血圧上昇に関係していることがうかがえます。冬季の実際に生活している住宅の調査でも断熱性の高い住宅では床上1.1mと床付近の温度差は1℃程度でしたが、断熱性能が低く床暖房でない住宅では、5℃の温度差がありました(足元付近は常に低温になっている)。

出典:慶應義塾大学 理工学部システムデザイン工学科 伊香賀研究室

冬は特にご用心!高断熱の住まいは、寒さリスクから身を守ります。

循環器疾患は、気温の下がる冬季に増加しています。

日本人のおもな死因はがん・腫瘍と、心疾患や脳血管疾患に代表される循環器疾患。グラフはそれらの死因による死亡者数を、月別にまとめたデータです。がん・腫瘍による死亡者数が年間でほぼ一定であるのに対し、心疾患や脳血管疾患は冬場に増加しています。これは、寒さによる血圧の上昇が、循環器疾患をまねいていると考えられるためです。

出典:健康に暮らすための住まいと住まい方エビデンス集

高齢者は入浴事故に特にご用心!

高齢者は入浴時の血圧変動が大きくなるため、入浴時の事故が多く発生しています。特に冬季は身体への温度差が大きくなるため、危険性が高まります。

出典:健康に暮らすための住まいと住まい方エビデンス集「冬季高齢者入浴に伴う血圧変動の模擬図」

暖かい住宅では入浴時の心臓負担が軽減

ある70代男性について、高断熱の暖かいモデル宅内と(断熱レベルの低い)自宅内とで生活してもらい、居間と脱衣所の室温差と、入浴前後の体表面温度や心拍数の変化との関係を調査した結果です。モデル住宅では居間と脱衣所との室温差が小さくなっています。
入浴時の心拍数も、暖かい住宅での方が変動が小さくなっており、心臓への負担が軽減していると考えられます。

出典:慶応義塾大学理工学部 伊香賀俊治研究室の実験・実測データ

  • 健康住宅が、健康家族を育みます。
  • 高断熱は健康長寿の秘訣です。